ツチヤカブト(2012 0603)

またまた虫ネタ。
昨年秋仕事で屋久島の近くにある口永良部島へ行った。3泊4日の予定だったが、台風接近によりたったの1泊だけの滞在となってしまった。

島内を車でまわって虫、病気の調査が仕事。
限られた時間なので慌ただしく調査に励んだ。

ただ、途中数カ所タブの木があるところや倒木があるところには休憩?のため寄り道を。

タブの樹液ではクチエラブノコギリ、コクワガタ(本土とは別亜種で赤っぽい)を見ることが出来た。秋遅くだったので、ノコギリクワガタがいるか心配していたが、割と多くの数を見ることが出来た。

集落の反対側の道沿いにある倒木をひっくり返したらカブトの幼虫が見つかったので持って帰ることに。分布から言うと本土カブトとは別亜種の「ツチヤカブト」のはず。集落周りでは本土産の持ち込みによって交雑したと思われる個体も採集されるという。

この場所は集落から最も離れた場所と言えるので、かなりツチヤカブトとしての純度も高いのではないかと思っている。

つい最近蛹化を確認したので、慎重に掘り取り人工蛹室へ。
人工蛹室はネットで調べた方法で、トイレットペーパーの芯を使った方法。昨年本土産(川内市・更に言うとあにぃのご実家裏山にて採集個体)で試して成功しているのだ。

のすけも羽化及び羽化後の変化を堪能出来るのでとても楽しい方法。

↑「個体A」
土を掘っていくと、ぼこって穴が開いて蛹室が顔を出す。その空間で本来は羽化を待つことになっている。

「のすけの手のひらの上」彼はこの時期が一番大切だと知っているのでそーっと優しく扱うことが出来る。

↑「個体B」
個体Aよりも羽化が近いと思われる。より焦げ茶色が強い。




↑「個体C」
かなり羽化寸前。角は固まっており今日明日中には羽化しそうな状態。本当はさわってはいけないだろう。


「人工蛹室」
実は本土産(川内市)カブトムシがあと16匹いて、トイレットペーパーの芯が全然足りない。今、3個だけ。あと13個必要。どうしよう。

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2,3時間後。

個体Cが無事羽化に成功していた。羽はまだ色づいてなく、淡い黄色。何度見ても神秘的。