嬉しすぎる出会い。(2012 0324) シベリアハクセキレイ

鹿児島に来て丸4年が経とうとしている。早いものだ。
元々鳥が好きだったので、鹿児島の本土はもちろん、トカラなどの離島にもかなり通ってそれなりの鳥を見たり、撮影したり自分的には

満足出来る4年間だったと思う。・・・・。のか???本当に思うのか??ほんとうか!!!!

いや、実は満足ではなかったのだ。どうしても、どうしても世界中の鳥の中で一番みたい鳥を見ていなかったのだ。遡ること3年。

某K大学野鳥研究会のT氏。(彼は若いのに勉強熱心だし、別に若いから勉強不熱心ではないけども。人よりも多くフィールドに出ている凄い男。努力をする男は偉いのだ。私の真逆だといっていい。私は努力とは無縁の適当、無責任男なのだ。それでもいいけど。そういう人間もたまには必要かな?と自分を守る。)

そのT氏にあるときとんでもない衝撃的写真を見せつけられたのだ!!!。その写真を見るまでは、いつかは見られる鳥だし、そう焦らなくても死ぬまでにはどこかの離島に出現するだろうなあと軽く考えていたのだ。
しかし、その写真はたったの1枚で、僕を完全にノックダウンし、やる気にさせてくれた。衝撃的な一枚だった。家と職場のパソコンにデスクトップにはその写真を貼っている。やる気がなくなったりしたときに月に1度くらいは写真を見てやる気を起こす。

ぐだぐだ書いたが、その鳥は「シベリアハクセキレイ」様!!!なのだ。確実な記録は日本でも少ないはずなのだ。そう私は認識していたのだ。
しかし、また、しかし。

彼はこう言ったのだ。「シベリアハクセキレイ(略してシベハク)は多くはないもののここ鹿児島南部では比較的観察されてますよ。1,2年に1回は出てるはず。シーズンに通えば何とか見られますよ。きっと。」

なんですとおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!

一回火がついたらもうだめ。その鳥が渡ってくる可能性がある3月上旬から5月中旬まではこの鳥を見たいがためにほぼ毎週、天気が荒れたら(天気が荒れたら渡り鳥が休憩にどっと降りてくることがある。)休みをもらってまで鹿児島県南部まで通った。

ホオジロハクセキレイに始まって、4月になるとタイワンハクセキレイの割合が増えてきて・・・・。でも、シベリアハクセキレイは混ざっていない。なんでなのぉ???!!!!どおしていないのお〜〜〜〜。ってことを2年続けた。今年で3年目。しかも、いけるのはどう頑張ってもあと2,3回のみ。実は殆ど諦めていた。のよねぇ。
たぶん、私には縁のない鳥なんだろうなあぁぁって。

でも、最後のあがきだけは・・・。と思い今シーズンも2回は通った。この日が3回目。
この日はいつもと違う気象条件だった。

台風並の強風に、前日までの雨。とても寒い。

探鳥ポイントにつくと鳥が多い、ホオジロハクセキレイが20羽近くいた。ハクセキレイが出るポイントは数カ所あり、期待しながらポイントをチェックしていく。

小学校のグランド横にさしかかって、ハクセキレイがいたので双眼鏡で確認。確認。か・・・・・、く・・・。「ぎゃああああああー^−^^−−^。いた〜〜〜〜〜〜。本物がおった〜〜〜〜〜」声にこそ出さないが、テンションマックス。興奮しているのがわかる。
普通なら落ち着いて望遠鏡で観察なんだろうが、まずは証拠写真を。と、グラウンドの外をゆっくりまわって(校庭にはなかなか入れない。許可をもらわないと入らない様にしている)、目的の鳥をもう一回探す。しばらくは見つからなかった。結構焦った。

2分くらい経っただろうか?念願のあいつ(メスだったらごめんなさい。これはたぶんメス)が遠いのだが、目の前100m程の所にいる。本当に嬉しかった。これは何か頑張ったご褒美をもらえた気分。
鳥を見始めてこれほど執着した種類もなく、人の言葉を借りれば「自分を誉めてやりたい」と思わせる鳥との出会いだった。

引っ張りすぎたが、写真を。
ここでも、敢えて焦らす。まずは識別が紛らわしいホオジロハクセキレイを。

ほおが白い。普通のハクセキレイなら過眼線と言って目の前後と嘴を結ぶ細いけど黒いしっかりした線が入る。
これは背中が黒い、わかりやすいホオジロハクセキレイ

以下、次々に背中がグレー味を帯びていく。

最後の個体なんかかなり背中がグレー味を帯びている。翼の一部に黒い部分が入っている気がするので、ホオジロハクセキレイで良いと思う。メスの若い個体なんだろうか?

そして、これが本命。

上のホオジロハクセキレイとは明瞭に背中の雰囲気が違う。
顔はホオジロハクセキレイみたいに過眼線がなく、背中はグレー一色。頭の黒とのコントラストがはっきりしている。写真ではわからないが、体上面は腰まで灰色。ホオジロハクよりもグレーっぽい。
喉の黒色は嘴につながらずに途中で消える。