勇気を出して初めての・・・・・(2013 0720)

3年前の大連滞在中にやりたくても出来なかったこと。




郵便物を日本へ送ること。
これまで滞在していたオランダ、台湾からは数回にわかってお土産、食材などを日本へ送っていたのだが、ここ中国からは未だ送れずにいた。ネットで調べても、他の出張者に聞いてもハードルが高くて難しい。とのこと。それで、3年前は諦めていた。

今回は何とか郵便を出したくて色々な人に聞いたりネットで調べたりしてようやく郵便局へ出陣だ。という位まで気分をあげていった。
でも、当日やっぱり弱気の虫が出て、ホテルの日本人客専用の兄さんに付いていってもらおうかなと。一応、荷物をまとめてロビーへ。
兄さんいるか?ってロビーの姉さんに聞くと、「今日は休みアルね」
だって。がビーンときたが、一人で行くという踏ん切りもついた。

人に連れて行ってもらうと確かに確実で楽なのだが、自分の身につかないし達成感がない。

ということで、小雨降るなかホテルを飛び出し、バスに乗り込んだ。
事前に聞いていた郵便局へのもっともベストなアプローチ方法だというやり方で・・・・。聞いていたバスに乗り込み、目的のバス停で下車。

聞いた話ではその最寄りバス停からすぐだよ。とのことだが、辺りには無かった・・・・。
一応事前に地図で調べた場所には10分程でたどり着けた(最寄りバス停も全然近くなかった。)が、それらしい建物は全く無かった。なんじゃ、この地図??役に立ってないし。
絶望が激しく襲ってくる。小雨は次第に本降りへと・・・。手荷物紙の袋が濡れてきて底が抜けそうな嫌な感じに。

とりあえず銀行に避難した。
そして、荷物など濡れているのをひととおり拭いて、顔を上げると不審そうに僕を見つめるガードマン。
おもむろに僕は立ち上がりガードマンの元へ。
ガードマン、不審者の僕にファイティングポーズ。は取らなかった。
僕は、「郵便を送りたいので郵便局どこ有るアルか?」って聞いてみた。そのガードマン、親切にも小雨降る中外に出て「あっちに有るから行ってみな。」って指さす。あまりにも適当すぎてよくわからない。
親切なんだか、そうでないんだか・・・・。

ガードマンが教えてくれた方角へ傘を差しながら向かうと郵便局らしい建物が見えた。こちらの郵便局は緑色。でも、そこは緑色でも郵便局ではなく郵便銀行となっており、ATMが設置されていたり、文字通りお金を出し入れしたりする銀行だった。

仕方なく涙目で交差点に立っているおばさんに郵便局の場所を聞いてみた。
「その通りの向かいが郵便局アルね」
そこまで(郵便銀行)はわかった。でも、僕は荷物を出したいの・・・。

また、とぼとぼ歩いて清掃中の薬局のおばさんに
「荷物出したいんだけど、郵便局ってどこ有るアルか?」
そうしたら、中から親切なお兄さんまで出てきてくれてみすぼらしい濡れ鼠の僕を哀しい目で見つめながら、
「郵便送るならその郵便銀行の裏側に郵便局が有るアルよ」って、ジェスチャーで示してくれた。そこで僕もピンと来た。なるほどアルね。裏側ね。ようやく確信を持って郵便銀行の裏側へ廻ることが出来た。
今度は自信が有ったので哀しい濡れ鼠ではない、小雨をもろともしない自信たっぷりの僕がいた。

ビンゴー。
ようやく、念願の郵便局にたどり着けたのだ。しっかし、本当にわからない場所にあるなあ。全くの裏通りだった。

でも、まだようやく入り口にたどり着いたばかり。
これからが本当の戦いだ。
自分を落ち着かせるためにまず傘を置き、荷物を置いてふーっと一息。そして、タオルをバックから出して濡れた自分や荷物を拭く。
落ち着いたところで、局内を見回す。
ラッキーなことに他の客がいない。しかも、郵便局は意外と小さかった。窓口局員はたったの二人。まずは目があったおじさんに聞いてみた。するとおじさん丁寧に対応してくれた。「まずは送る荷物を全部俺に見せてみろ!!」って格好いい。僕は言われるまま荷物をおじさんの前に差し出す。おじさん、ぶつぶつ言いながら、箱を見繕ってくれた。そして、「ほら、これに入れな!!」格好いい。

僕は言われるまま箱に荷物を詰めておじさんに差し出すと。
おじさん「よし、俺が綺麗にやってやるから任せておけアルよ」ってな感じでグルグル、グルグル、グルグルグルグル。と幾重にもテープで箱を梱包してくれた。そして、重さを量り伝票を渡して
「これに必要事項を記入して、向こうのカウンターへ持って行け!!」って格好いい。有り難う。ありがとう、親切なおじさん(郵便局員

とりあえず、伝票に必要事項を書き込んで別のカウンターへ。今度は髭がうっすらと生えたお姉さん(郵便局員)。
お姉さんも親切に、笑顔を交えて事細かく指示してくれた。
そして、料金を電卓で表示してくれた。@311元。航空便。
私が思っているより安かった。
到着まで7-10日らしい。EMSだったら5日くらいだが、料金が更に高くなる。今回はEMSじゃなくて、航空便。何が違うのかはよくわからない。


おじさんが丁寧に丁寧に梱包してくれた、テープぐるぐる巻き荷物。


後は日本に向けて旅立つのを待つだけの荷物。後ろに写っているのは髭のうっすらと生えた親切なお姉さん(郵便局員

お金を払い、おつりの受け取りを待つ間、とてつもない満足感と達成感に襲われていた僕は、局内をゆっくり見回した。スローモーションの様に親切なおじさん、うっすら髭のお姉さんの顔が流れていった。

国籍不明の僕が、慣れない言葉と環境でまた一つ階段を、低いけども階段を確実に一歩上がった瞬間だった。
このとき頭の中では、「NHK プロジェクトX〜挑戦者達〜」のテーマ曲、中島みゆきの「ヘッドライト・テールライト」が静かに流れていた。その余韻にしばらく僕は浸った後、おじさん、うっすら髭のお姉さんに「謝、謝・シエ、シエ」と力強く、精一杯の眼力を込めて感謝の意を表現した。
両名も「おお、また来いよ。」「また、いらっしゃいね。ぼうや」って感じで笑顔の対応。あ〜〜〜。意外と感動した。

大仕事を終え、郵便局を出ると、それまで降っていた小雨もすっかりあがり、西の空には綺麗ではっきりとした虹が・・・・・・。
出ていなかった。

虹は出ていなかったが、雨はやんでいた。

結局の所、あと1時間僕が遅くホテルを出ていたら、雨にも濡れず、あそこまで迷うこともなくもっと話は簡単だったのかな??って話。